体積と重量について

体積と重量について

料理の基本知識としては

小さじは5㎖
大さじは15㎖
1カップは200㎖
となっている。

水200㎖は200gだが、牛乳200㎖は210gとなっている。
このように、体積と重量は必ずしも一致しない

商品名 小さじ(5㎖) 大さじ(15㎖) 1カップ(200㎖)
水・酒・酢 5 15 200
しょうゆ・みりん 6 18 230
みそ 6 18 230
食塩・精製塩 6 18 240
並塩(あら塩・天然塩) 5 15 180
砂糖(上白糖) 3 9 130
グラニュー糖 4 12 180
はちみつ・メープルシロップ 7 21 280
牛乳 5 15 210
ジャム 7 21 250
ウスターソース 6 18 240
4 12 180
バター 4 12 180
マヨネーズ 4 12 190
生クリーム 5 15 200
小麦粉(薄力粉) 3 9 110
小麦粉(強力粉) 3 9 110
片栗粉 3 9 130
コーンスターチ 2 6 100
ベーキングパウダー 4 12 150
重曹 4 12 190
クエン酸 3 9
カレー粉 2 6
粉ゼラチン 3 9
粉寒天 1 3
アガー 2 6

上表の通り、必ずしも体積と重量は一致しない。

料理を大量に作る時には、気を付けなければいけない。


「ひとつまみ」は、親指、人差し指、中指の3本で一度につまんだ量(小さじ1/4)
「少々」は、親指と人差し指で一度につまんだ量(小さじ1/8)

食品をゆでると浮いてくる理由
オンスとポンド
小麦粉を量るとき「ふるう」

参考文献 料理のなるほど実験室 大人の教養博識雑学2000

みりんとみりん風調味料の違い

みりんとみりん風調味料の違い

まず初めに、「《みりん》《みりん風調味料》《※発酵調味料液》《酒+砂糖》のどれを使えばいいのか?」という質問の答えは
その料理に合わせて使うになる。

※発酵調味料液とは、発酵してみりん風に作るが、価格を下げるため塩を約2%加えて酒税対象外にしている。本みりんに近い風味があるが、塩味の調整が必要である。

《みりん》や《酒》を使う事の調理上の効果は
①臭みを消す
②風味をつける
③照りをつける
④焦げ色をつける
⑤煮崩れを防ぐ
などである。

①臭みを消す理由としては、酒類に含まれるアルコール類やカルボニル化合物、有機酸によって生臭いにおい成分のアミノ酸と反応して一部が不揮発性になると同時に、酒類のにおい成分によってマスキングされるため。
また、アルコールの沸点は78℃であるため、加熱によってアルコールが揮発するときに魚の嫌な臭いも同時に揮発させる。 つまり、《みりん》を煮切ってから使ったり、《みりん風調味料》のようなアルコールを含まない場合は、臭みを消す点では少し効果が弱くなってしまう

②風味については、一般的に《みりん》の方が上品でまろやかなコクとうま味があると言われている。

③照りをつけるは、糖分があるため。

④焦げ色をつけるは、アミノ・カルボニル反応によるものであり、同時に良い香りも生じる。さらに高い温度での加熱では、糖質のカラメル化が起こり、香ばしい香りと色を生じる。(《みりん》を煮切るとき、火をつけてアルコール分を燃やし軽く焦がすことで香りが高まる)

⑤煮崩れを防ぐは、アルコールと糖の働きにより細胞膜の損傷が防げるため。

また、《砂糖》の代わりに《みりん》で甘味を付ける場合、重量で砂糖の3倍にする。みりんの糖分は約45%だが、そのうち70~90%はブドウ糖であり、ブドウ糖の甘味は砂糖の半分程度なので、結果として《みりん》の甘味は砂糖の1/3程度になる。


ここからは主観です。

上記の記事を読むと結局「《みりん》を使えばいいよね?」っとなると思います。
しかし、「甘いのが苦手」、「煮切るのがめんどくさい」、「今、みりん切らしてる・・」、「みりんは値段が高い」など様々な状況があると思います。やはり結論は、その料理に合わせて使ってくださいです。

 参考文献 おいしさの科学味をよくする科学 NWE 調理と理論 調味料検定 おいしい料理には科学がある大事典 「こつ」の科学 総合調味料科学事典 料理のなんでも小辞典

料理の「さしすせそ」の理由

料理の「さしすせそ」の理由

料理の「さしすせと」とは
①さ・・砂糖
②し・・塩
③す・・酢
④せ・・醤油(昔は「せいゆ」と書いた)
⑤そ・・味噌
となっており、一般的に味をつけるときにこの順に入れることが好ましいとされている。

【理由】
砂糖は、それぞれ分子イオンという非常に小さな粒にバラバラになる。
塩は砂糖より浸透圧が高く、※₁小さい粒なのでしみこみやすいとされてる。そのうえ、素材を引き締めるはたらきがあるため、先に塩を入れると後から入れる砂糖がますますしみこみにくくなる。一方砂糖は、食材の細胞組織を柔らかくし、他の調味料の味もしみこみやすくする特性がある。そのため、塩より砂糖を先に入れることが良い。また、醤油にも塩分があるため、塩と同様に砂糖の後に入れる。
砂糖は分散性を良くする

は、揮発性があり、早く入れると調理の熱で香りが飛んでしまう。さらに、短時間加熱するとタンパク質を固める作用があるため、塩以上に食材に味をしみこむのを妨害することから、塩の後に入れる。

醤油味噌は、加熱によって風味が損なわれやすい調味料である。そのため、最後の方で加える。

吸物の最後に醤油を落とす理由
味噌汁の煮返しについて

酒とみりんは、アルコールが含まれているため一番初めに入れることで、「生臭みを消す」「味のしみ込みをよくする」といったアルコールによる調理効果がより発揮できる。

※絶対に「さしすせそ」の順で味をつけなければならないという訳ではなく、あくまでこういった原理で「さしすせそ」と呼ばれている。

※₁砂糖や塩を加熱しながら食品に添加すると、それぞれの分子は濃度の濃い方から薄い方に拡散する。調味料によって分子の拡散速度は異なり、砂糖より塩の速度は大きいため、塩は食品の内部に早く到達する。

参考文献 科学的に正しい料理のコツ 調味料検定 NEW調理と理論 宝酒造公式ホームページ 料理のなんでも小辞典