酒臭い料理について

純粋なアルコールは78.3℃で沸騰し、純粋な水は100℃で沸騰する。

しかし、アルコールと水を混ぜた混合液を沸騰させた場合、78℃でアルコールが全て揮発し、その後100℃で残った水が沸騰するわけではない
実際には、水とアルコールはお互いの沸点に影響を与えるため、水とアルコールの混合液の沸点は、78℃と100℃の間のどこかになる。(※水とアルコールの比率による。)
そして、水蒸気とアルコール蒸気の混合物が、一緒に蒸発する。

鍋に残るアルコールの正確な量は、あまりにも多くの要因があるため答えがあるわけではない。
実験で牛肉の赤ワイン煮、鶏肉の赤ワイン煮などを作り調理の前後でアルコール量を計測した場合、出来上がった料理には、食材の種類や調理方法によって最初のアルコール分の4~49%が残っている結果となった。(赤ワイン煮を三時間半煮込んでも、全体の約5%のアルコールが料理に残る
このように、料理に混ぜたアルコールを100%飛ばすのは困難であるため、「煮切り」というテクニックが存在する。

参考資料 料理の科学② 「こつ」の科学