果物は冷やすと甘くなる理由

私たちが普段砂糖といっている「ショ糖(スクロース)」の甘さは、温度によってほとんど変化しないのに対して、果物やシロップ、清涼飲料水に含まれる「果糖(フルクトース)」の甘さは、温度によおって大きく変化します。

先に結論を言えば、果糖(フルクトース)は冷やすと甘くなります

上表の通り、ブドウ糖と果糖の中にはそれぞれα型とβ型が存在し、温度帯によってαとβの比率が変わります。簡単に言えば、温度帯が低くなるとα型が増え、低くなるとβ型が増えます。果糖は、β型がα型より3倍甘いため、冷やすとβ型が増え甘くなるという事です。

すなわち、果糖(フルクトース)は、5℃でショ糖(スクロース)約1.5倍も甘い対し、60℃では0.8倍の甘さしかなくなります。
甘味度は、官能検査(実際に人が食べて判断)によって出されたものです。


ここからは主観です。

ちなみに、転化糖は果糖とブドウ糖が1:1ぐらいの比率で含まれています。つまり、蜂蜜はその殆どが転化糖で出来ていますから、冷やすと甘くなると思われる

ただし、甘味は、体温ぐらいの温度が一番甘く感じ、温度がそれ以上でもそれ以下でも、感じ方が弱くなります。(※現時点では仮説として、食べ物の自身の温度は関係なく、舌の温度によって感じ方が違うというものがあります)

参考文献 味のなんでも小辞典 総合調理科学事典 お菓子「こつ」の科学 料理と科学のおいしい出会い