米酢、黒酢、穀物酢の違い

米酢、黒酢、穀物酢の違い

米酢
原料に米を一定量以上用いた醸造酢。
米だけを用いたものを「純米酢」、ほかの穀物を加えたものを「米酢」とし、純米酢の方が風味やコクが強い
発酵臭が強く、濃厚な風味は和食に適しており、生魚を用いた寿司などに適している。加えて、豊かな風味は隠し味としても効果を発揮する。

黒酢
米酢の一種で、麹と米と水を長期発酵させた酢。
長期発酵により、酢の色が黒くなるので黒酢、壺を用いて作るのでつぼ酢とも呼ばれる。
酸味がまろやかでうまみ、甘味が強く、濃厚な風味がある。飲料やデザートなどにも適している。

穀物酢
米、麦、酒かす、とうもろこしなどの穀物を原料に用いた醸造酢。
米酢と比べてうまみや甘味、香り、色も穏やかで、価格も安い。
クセがなく、風味が個性的でないので、幅広い料理に使われる。

ポン酢
本来は「だいだいのしぼり汁」のことだが、「ユズ」、「スダチ」、「かぼす」などの果汁を用いたもの
爽やかな酸味があり、レモン汁よりも和食に適した酸味や香りがある。
醤油と合わせたものをポン酢醤油という。

果汁
酸味のある果物のしぼり汁は酢として活用されている。
フルーティーなよい香りを持っていることで、酸味とともに料理に香りをつけ、におい消しにも有効。
柑橘類の匂いは変化しやすく、高温や日光、酸素などが影響するため、使用のつど絞るのが原則。

バルサミコ酢
イタリア特産の酢。ブドウ液を煮詰め、数十年木の樽で熟成させる。
黒酢のような色調で濃度があり、特有の甘味とコク、香りがある
肉や魚料理、デザートのソース、サラダのドレッシングなど幅広く使用

ワインビネガー
ブドウ果汁を原料に、アルコール発酵酢酸発酵させて作った酢。
原料として1ℓ中にブドウの果汁が300g以上含まれている必要がある。
赤と白が存在し、赤い方は渋みがあって重く、白い方は軽い
サラダドレッシングに向き、特にりんご酢に赤ワイン酢を混ぜると風味が良い

リンゴ酢(サイダービネガー)
りんご果汁を発酵させて作った醸造酢。
原料として1ℓ中にりんご果汁が300g以上含まれている必要がある。
りんごの香りがあり、酸味成分の中に酢酸のほか、りんご酸なども含むため非常にさっぱりした酸味である。
しかし、アミノ酸はあまり含まれておらず、うま味成分は無い。サラダドレッシング向き。

揮発酸と不揮発酸
酢の特性

参考文献 うまさのサイエンス 調理事典

酢酸菌について

酢酸菌について

酢酸菌(さくさんきん)とは、アルコールや糖類をエサにエネルギーを得て、酢酸を生成する好気性細菌(酸素がある環境で活動する菌)のこと
代表的な酢酸菌として、食酢を醸造する際に用いられるアセトバクター・アセチがあり、花の蜜や傷ついた果実など(空気中)にも存在している。
作りたてのシードルやビールにも見られ、液体では表面に膜をつくる形で成長する。

仮に発酵済みアルコール飲料を空気中にさらせば最終的には酢になる。
より確実に酢を製造するには、※生の酢を加えるとよい。
※市販されている酢は低温殺菌されているため

酢酸菌は主に
アルコールを酸化するアセトバクター属
糖類を酸化するグルコノバクター属
に分けられる

【酢酸菌の特徴】
●自らが酸を生成するため耐酸性です。pH4以下でも繁殖できるものもある。
●耐アルコール性なので、アルコールから酢酸を生成することができる。ワインなどのアルコール飲料に酢酸菌が作用すると酢ができる。
●※酸素のある環境で繁殖する。表面に膜を張るように広がり、空気中の酸素を取り込んでアルコールを酢酸に変化させる。

CH3CH2OH + O2  → CH3C00H + H2O
アルコール + 酸素 → 酢酸 + 水

嫌気性酢酸産生菌も存在する

発酵食品 原料 酢酸菌 説明
米酢 米・麹 アセトバクター・アセチ 米を原料に作られた酢。米のみで作られた場合は純米酢という。
ワインビネガー ワイン アセトバクター・アセチ ワインに酵母や酢酸菌を加えて発酵、短期熟成させたもの。
モルトビネガー 大麦、麦汁のアルコール発酵物 アセトバクター・アセチ 麦芽酢。主にイギリスで作られる。もともとはビールが酢酸発酵したもので、現在は発酵前の麦芽浸出液(ビールの原料)から作られる。
バルサミコ酢 ブドウの濃縮果汁のアルコール発酵物 アセトバクター・アセチ、グルコノアセトバクター・エウロピアス 熟成したブドウの果実を絞り、煮詰めて樽でアルコール発酵、樽を何度も替えながら長期熟成させたもの。
ナタ・デ・ココ ココナッツ水 アセトバクター・キシリナム ココナッツ水を発酵させ、凝固させる

発酵と微生物
発酵について

参考文献 発酵検定 発酵の技法 マギーキッチンサイエンス 発酵のことが一冊でまるごとわかる

発酵食品と微生物

発酵食品と微生物

乳酸菌について
酢酸菌について
酪酸菌について
納豆菌について

発酵食品 細菌(バクテリア) 酵母菌(イースト) カビ(モールド)
醤油 乳酸菌 醤油酵母 醤油麹菌
味噌 乳酸菌 味噌酵母 黄麹菌
日本酒 (乳酸菌) 清酒酵母 黄麹菌
焼酎 焼酎酵母 黒麹菌・白麹菌
醸造酢 乳酸菌・酢酸菌 醸造用酵母
ぬか漬け 乳酸菌・酪酸菌 産膜酵母
かつお節 カツオブシカビ
納豆 納豆菌
ビール ビール酵母
ワイン (乳酸菌) ワイン酵母
パン パン酵母
ヨーグルト 乳酸菌
チーズ 乳酸菌
ブルーチーズ 乳酸菌 アオカビ
キムチ 乳酸菌

麹の糖化作用


ここからは主観です
例えば醤油を作る場合、乳酸菌、醤油酵母、醤油麹菌と様々な微生物(細菌、酵母菌、カビ)が使われています
昔は、空気中(蔵の中)に生息している菌によって発酵をおこなっていたが、現在は管理・培養された菌が添加されているようです
しかし、昔ながらのつくりを続けている蔵では、木桶や柱や天井に乳酸菌や酵母菌が住み着いて空気中にただよっており、それを利用して発酵させているようです

ちなみに、醤油のPhが低い理由は、乳酸発酵しているため

発酵食品が腐りにくい理由

参考文献 発酵検定 キッコーマンホームぺージ