小さい種と大きい種

小さい種と大きい種

小さい種子と大きい種子のどちらが繁殖に有利か。

小さい種子の場合、大きい動物も小さい動物も果実を食べ、種子は散布される。
大きい種子の場合、大きな動物しか食べることができない。

したがって、植物の繁殖の目的からすると、一見不利な気もする。

しかし、一般に大きな種子を持つ木は大きいこと、そして大きな動物は行動範囲が広いことを考えると、事情が変わってくる。
つまり、大きな動物に種子を遠方に運んでもらう
結果的に、その種子は親木から離れたところで育成する。
親木のそばは日がささず、子は育ちにくい。

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参考文献 味覚を科学する

石けんが油汚れを取る理由

石けんが油汚れを取る理由

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(b)の石けんを見てみると、親水基(水とくっつく)と疎水鎖(水を嫌い油とくっつく)に分かれている。

乳化などで聞くレシチンは、学術的にはホスファチジルコリンとよび、生体膜を構成する主要な脂質の一つである。
化学式が(b)となっており、CとHからなる長い部分がリン酸(ホスファチジル基)とアンモニウムからなる部分(コリン基)が親水基である。

石けんが油汚れを取るのは、多数の石けん分子が疎水鎖部分に油汚れを取り込み、親水基を水に面するように向けるため、油汚れを石けん分子に包み込んだ形で洗い流せるためである。

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参考文献 味覚を科学する

 

大腸菌の好き嫌い

大腸菌の好き嫌い

人間の食品に対する好き嫌いは、本質的に生存のために存在する。
その傾向は、単細胞生物レベルでは、もっと端的に現れる。

大腸菌などの微生物やアメーバなど原生動物では、走化性という現象が知られている。
これはある特定の化学物質に対して周りに集まったり、それから逃げたりする現象である。

大腸菌の場合、うま味を持つアミノ酸や甘味物質には正の走化性(集まる)を示し、逆に酸味や苦味の強い物質には負の走化性(離れる)を示す。
うま味をもつアミノ酸や甘味をもつ糖類などは、生物にとって栄養源であるからである。

参考文献 味覚を科学する