氷結晶サイズと冷たさ

氷結晶サイズと冷たさ

アイスクリームを食べた時に、冷たいという知覚に影響を与えているものは、氷の存在だけでなく氷結晶のサイズにあります

大量の小さな氷結晶は、大きな氷結晶数個と同じ体積になります。しかし、小さな氷結晶は、総量が同じでもその表面積ははるかに大きくなります
アイスクリームを食べている時、アイスクリーム中の小さな氷結晶の表面積の合計値がより大きいほど早く溶けます。氷が解けている間、アイスクリームは、口から熱を吸収し、冷たい感覚を食べた人の舌に感じさせます。

つまり、アイスクリーム中に含まれる氷結晶が小さいほど、表面積が増え早く口の中で溶けるため、より口内の熱を吸収し冷たく感じる

この氷結晶サイズは、アイスクリームメーカーの冷却温度によって変わります。冷やす温度が低いほど、より多くの小さな氷結晶が生成されます。
逆に、温度が高くなるにつれ大きな氷結晶が生成されます。

アイスクリームと冷たさ

参考文献 新しい「料理と科学」の世界

砂糖、塩、アルコールにおける凝固点降下

砂糖、塩、アルコールにおける凝固点降下

砂糖、塩、アルコールのような小さな分子が溶液に溶かされると、その液体の凍結し始める温度は0℃未満になります。(つまり、凍りにくい)
水に、非水分子が多く存在すればするほど、水は個体なるのが難しくなり、個体結晶水である氷をつくるには、溶液をより冷やす必要があります。

そのため、「分子の数」が凝固点降下(凍りにくさ)を決定します。
重量でいえば、1gの食塩には1gの砂糖の約4倍以上の分子が含まれています。(つまり、砂糖の分子は塩より大きい
その為、塩などの低分子は、砂糖などの高分子より比較的凝固点を低下させます

【まとめ】
塩は少量で凝固点を下げれるが、砂糖は大量に混ぜないと凝固点が下がりにくい
つまりアイスクリームを作る時、砂糖を入れすぎると柔らかく甘くなりすぎ、少なすぎるとかたくなりすぎ、甘味が足りなくなる。その時、他の添加物(塩など)で置き換えた場合、同じ様に固まるわけではないので調整が必要

参考文献 新しい「料理と科学」の世界

食品を茹でると浮いてくる理由

食品を茹でると浮いてくる理由

食品に限らず、ある物質を水の中に入れたときに浮かぶか沈むかは、入れた物質の比重によって決まります。

水(湯)の比重は温度によって変わります。

温度(℃) 比重
0 0.9999
4 1.0000
20 0.9982
40 0.9922
60 0.9833
80 0.9718
100 0.9584

この水の比重よりも重ければ沈み、軽ければ浮きます

例えば、ジャガイモ(デンプン)の比重は1.053~1.09のため沈みます。

同様に、白玉団子やニョッキなどの練り物の場合、本来なら【デンプン+水分】のため水より比重が重く沈みます
しかし、鍋の温度が上がると、白玉団子やニョッキの生地に含まれる水分の一部が水蒸気に変わります。茹でるにつれ膨らんで体積が増えるのは、生地内で水が水蒸気になっていくからです。
これにより、生地の重さが変わらず、体積だけが大きくなったことで、比重が湯(0.9584)より小さくなり浮きます。
また、火を消すと水温が下がり、生地中の水蒸気が水に戻って生地の体積が減り、沈みます。

体積と重量について


ここからは主観です
物を茹でていて、浮かび上がったら火が通ったっという目安があります。
これは、上記の理由から言えることで、

浮かび上がる→物体内の水分が水蒸気に変わった→物体の中身が100℃になった

という目安です。当然、大きさや種類によって話は変わってきますが、一つの目安として覚えておいて損はないでしょう。

古い卵を塩水に入れると浮き上がる
シューが膨れる理由

参考文献 おいしさをつくる「熱」の科学

 

このように、
料理中に使われている
「目で見る判断基準」には、
きちんとした理由があるものと、
経験則として使われているものがあります。

食品が浮く・沈むという現象も、
比重や体積の変化から説明できます。

白玉団子やニョッキだけでなく、
卵・シュー・練り物など、
家庭料理でよくある
「なぜこうなる?」を、
料理科学の視点で整理した
初心者向けの辞書をまとめています。