塩と砂糖の拡散速度

塩と砂糖の拡散速度

溶質(液体)の濃度が異なっている場合、溶質は濃度の高い方から低い方へと移動する。

この時の拡散速度は、濃度差が大きいほど速く、小さくなると遅くなる。したがって、煮物に調味料を加えた時、最初は速い速度で味付けができるが、濃度差が小さくなる後半部分では味の染み込む速度は低下する。

塩化ナトリウム(塩)とショ糖(砂糖)を比較すると、塩化ナトリウムはショ糖の約4倍の速度で拡散する。砂糖を食塩や醤油と同時に加えると、食塩がまず煮物の中で拡散して細胞内外液の濃度差を小さくするため、砂糖の拡散が困難になる。砂糖を加えた後に食塩やしょうゆを加えると、調味料がバランスよく拡散する。

料理の「さしすせそ」の理由

参考文献 調理科学

家のチャーハンがパラパラにならない理由

家のチャーハンがパラパラにならない理由

※今回は料理の手順を書きますが、あくまで一例としての紹介となります。これが絶対い正しいという訳ではありません

チャーハンがパラパラにならない一番の理由は、水分が多すぎるからである。

①チャーハンを作る時に、油→卵→ごはん→具材の順で入れる

Ⅰ:油→卵の理由
卵のタンパク質は熱で固まるときに、油や水分を包み込む。仮に卵を最後に入れると、炒めや野菜やごはんから出た水分をキープしてしまう。その為、最初に炒めて固めてしまう。

Ⅱ:卵→ごはんの理由
卵が完全に固まる前に、ごはんを入れると、卵の油がごはんの表面にコーティングされ、からっとしたチャーハンになる。完全に卵に火が通ってしまうと、油がごはんに移動しなくなる。炒めていると、卵が最初に吸い込んだ油が熱せられ外に出てくる。その油を使いながらごはんを炒めている。
※油を足しながらチャーハンを作ると、最後に油っぽい仕上がりになる。

Ⅲ:ごはん→具材の理由
具材を最初に入れると、野菜等から水分が大量に出てしまい、その水分を米が吸い込んでベタベタになってしまう。ポイントとしては、水分の少ない野菜を使うがある。

野菜は温めるだけで、炒めているわけではない。多くの野菜の90%以上は水分でてきている。これを炒めると、細胞が破壊され中から大量の水がでてくる。
しっかり火を通したい場合や具材たっぷりのチャーハンを食べたい場合、具材だけ別に炒めて水分を飛ばし、後から混ぜるとよい

 

②調味料は最後に入れる
塩などを最初に入れると、浸透圧の作用で肉や野菜から水分が出てしまう。
最後にさっと混ぜ合わせるのが良い(そもそも加熱する意味もない
また、醤油を入れる場合、チャーハンに直接かけないこと
基本は、鍋肌にかけて蒸発させ香り混ぜ込む(醤油は味ではなく、香ばしい香りを出すために加えるのが一般的考え)

 

ジャポニカ米(スーパーで普通に売っている米)ではなく、インディカ米(タイ米など)を使うとパラパラしやすい
(っと言っても、家庭でインディカ米を用意している人は少ないと思う)
その為、炊飯の時点で水を少なめにして硬めに炊くのが良い


ここからは主観です

冷蔵や冷凍のごはんを使う場合、一度レンジで温めてから使うとよい
たまに冷や飯でチャーハンをする方が良いみたいな記事を見かけるが、これはご飯の水分が減っているため、パラパラしやすいということなのだろう。
わざわざ冷やすぐらいなら、初めから水分を少なめにして硬めに炊くとよい

チャーハンには色々なパターンがあるため、今回紹介したのは一例と思ってください。
例 マヨネーズを混ぜて焼く 卵掛けご飯にしてから焼く 火を強火にして超火力で焼く

参考文献 おいしい料理には科学がある大事典 よくわかる中国料理の基礎の基礎 「こつ」の科学

醤油、食酢、酒を加熱した場合

醤油、食酢、酒を加熱した場合

【醤油】
醤油は基本的に食塩の水溶液です。これにより融点降下と沸点上昇が起こりますが、その変化は微細なため料理で気にするほどではありません。加熱を続けると水分が蒸発し、塩分濃度が高くなる(塩辛くなる)ので注意が必要です。

【食酢】
食酢は酢酸の3~4%ほどの水溶液です。酢酸の沸点は118℃で、水より沸点が高いです。食酢を加熱すると先に水が蒸発するため、酢酸の濃度が上がり酸味が強くなります。

【酒】
料理で使う日本酒は15%、ワインは10%ほどのエタノールを含みます。エタノールの沸点は78℃で水より低いため、加熱すると先にエタノールが蒸発して無くなります。このことを酒を煮切ると言います。ウイスキーやブランデーのような強い酒(エタノール含有量40%)を加熱すると、大量のエタノール蒸気が発生し、これらに火がつくことがあります。フランベはこの現象を利用したものです。

参考文献 料理の科学