気圧と機内食

気圧と機内食

飛行機の機内食は、通常の食事と違い気圧が大きく関係してくる

嗅覚については、気圧が低くなると

①揮発性物質の蒸発が容易になる
つまり、食品から香りがよくたつ

②一定の体積に含まれる空気量が減少する(空気が薄くなる)
つまり、香りを検知しにくくなる

①と②を合わせると
食品からは香りがよくたつが、空気が薄いためあまり香りを感じない


味覚(風味)については、気圧が低くなると

①空気が乾燥し、風味が感じにくくなる(口の唾液量が変化する)

②甘味や塩味については、味覚が約30%失われる(うま味は例外で、高度による影響を受けない)

 

全てをまとめると、高度9,000mでは、味覚、嗅覚がともに低下して、味気なくなる。もちろん、航空会社はこれを知っているため、濃い味付けで提供している会社もある。

標高と沸点
騒音と味覚について

参考文献 Cookin for Geeks フラウンホーファ研究所(ドイツ) 

干しシイタケをもどすとき、ぬるま湯を使い砂糖を加える理由

干しシイタケをもどすとき、ぬるま湯を使い砂糖を加える理由

干しシイタケは水温20℃では20分10℃では40分前後で吸水を完了するが、これだけの時間水につけておくことは、干しシイタケのうま味成分をかなり失うことになる。つけ水をそのまま調理に使うときは差し支えないばかりか、むしろ半日もつけてうま味を溶け出させる方がよいが、干しシイタケそのものの味を目的とする煮ものの場合には味が溶け出すのは好ましくない。

そこで、ぬるま湯のなかに砂糖を少し加えておくと、シイタケ内部との濃度差が少なくなるため浸透圧による成分の溶出を遅らすことができる

加えて、干しシイタケに砂糖の味が多少しみこむことは味の妨げにはならず、煮ものの材料に使う場合は、なかまで砂糖が先にしみこんでいるほうがむしろ大きなプラスになる。

干し魚のもどし方法
迎え塩、よび塩につれて
干しシイタケと風味
乾物などを加熱する前に吸水させる
乾物から良いダシがとれる理由

参考文献 「こつ」の科学

 

このように、
乾物の戻し方は「時間」だけでなく、
浸透圧や濃度差によって
仕上がりが大きく変わります。

干しシイタケの戻し方は、
乾物全般に共通する考え方の一例です。

迎え塩・よび塩、
干し魚の戻し方、
乾物からだしが出る理由など、
家庭料理でよくある
「なぜ?」を料理科学の視点で整理した
初心者向けの辞書をまとめています。

大和煮の肉は筋の多い部分を使う理由

大和煮の肉は筋の多い部分を使う理由

大和煮(やまとに)というのは主に牛肉を、醤油、砂糖、みりん、ショウガなどを混合した調味料液で煮て、缶詰にしたものである。
缶詰の牛肉はほとんど冷たいまま食べるので、脂身があると白く固まって口に入れても溶けない。しかし脂身のない部分を用いると肉質がぱさつく。

そこで筋の多い部分を加えると、筋のタンパク質コラーゲンは加熱によってゼラチンに変わり、柔らかくとろみのあるものになる。

大和煮に限らず牛肉を長く煮る料理(シチュー)、低温で食べる料理(コールドミート、コンビーフ)は、いずれも脂身のない筋の部分を用いている

ソーセージ、ハム、ベーコン、ランチョンミート

参考文献 日本料理のコツ