大和煮の肉は筋の多い部分を使う理由

大和煮(やまとに)というのは主に牛肉を、醤油、砂糖、みりん、ショウガなどを混合した調味料液で煮て、缶詰にしたものである。
缶詰の牛肉はほとんど冷たいまま食べるので、脂身があると白く固まって口に入れても溶けない。しかし脂身のない部分を用いると肉質がぱさつく。

そこで筋の多い部分を加えると、筋のタンパク質コラーゲンは加熱によってゼラチンに変わり、柔らかくとろみのあるものになる。

大和煮に限らず牛肉を長く煮る料理(シチュー)、低温で食べる料理(コールドミート、コンビーフ)は、いずれも脂身のない筋の部分を用いている

ソーセージ、ハム、ベーコン、ランチョンミート

参考文献 日本料理のコツ