殺菌剤・防腐剤について

殺菌剤・・菌を殺す強い作用がある

【次亜塩素酸ナトリウム NaCIO】
上水道の殺菌に使われるさらし粉(次亜塩素酸カルシウム)の有効成分。分解して殺菌効果を持つ塩素CI2を発生させる。

【過酸化水素 H2O2】
消毒薬のオキシフル、あるいはオキシドールの有効成分。分解すると水と酸素になるが、この酸素が細菌を攻撃して酸化殺菌する。

【オゾン水 O3】
オゾンは気体である。これが分解すると酸素になり、効果は過酸化水素と同じである。

 

防腐剤・・細菌の増殖を抑えるもので、殺菌剤より効果は薄い。

【安息香酸】
天然物だが、一般に用いられる合成品。水によく溶け、各種の微生物に対して増殖を抑制する効果がある。食品、飲料水、酒類に広く使われる。

【しらこタンパク抽出物】
サケの精巣(しらこ)の中にあるプロタミンやヒストンという特殊なタンパク質を取り出したもの。微生物が増えることのよって生じるネバネバの発生を遅くする効果がある。かまぼこなどに用いられる。

【ソルビン酸】
天然物だが、一般には合成品が用いられる。抗菌力は強くないが、カビ、酵母、細菌などに幅広い効きかたをする。チーズ、肉、魚肉製品に用いられる。

【プロピオン酸】
微生物の代謝産物であり、味噌、醤油、ブドウ酒などの発酵食品に含まれている。カビや芽胞菌(熱に強い菌)の発育を阻止。チーズ、パン、洋菓子などに用いられる。

【ポリリジン】
放線菌という細菌の一種の培養液から得られる。成分は必須アミノ酸の一種であるL-リジンが鎖状につながったもの。ほとんどの細菌、酵母に対して有効だが、カビにはあまり効果がなり。デンプン系の食品に用いられる。

【ナイシン】
乳酸菌発酵によってできるもので抗生物質の一種。化学合成で作ることができない。優れた抗菌作用を持つだけでなく、抗がん作用もある。乳脂肪製品、卵製品、肉製品、洋生菓子などに用いられる。

滅菌・殺菌・除菌・抗菌・消毒・減菌の違い
ワインに亜硫酸塩が入っている
黴菌とは

参考文献 料理の科学