湯豆腐に「す」が入るのを防ぐ

豆腐を加熱し過ぎると大きな穴がボコボコとあきます
このように表面や内部にできる水蒸気などの穴を「す」と呼び、穴ができることを「す」が立つといいます

「す」が立つのを抑える方法には
塩(0.5~1.0%)を入れた湯で豆腐を温める
湯の温度を80℃以上にしない
があります


【説明】
大豆タンパク質はカルシウムイオンなどと結びつくと固まる性質があります
この性質を利用して、豆乳に硫酸カルシウムなど(にがり)を加えて作ったのが豆腐です

豆腐を固めるために入れたカルシウムイオンのうち、20%弱は大豆たんぱく質を固めるために役立っているが、残り80%強は豆腐の水分の中でさまよっています
この時、加熱されるとカルシウムイオンが活発に動き出し、大豆タンパク質とどんどん結びつきます
結果、豆腐がギュッと縮んで固くなります

さらに、温度が高くなると、豆腐の中では水が水蒸気に変わって豆腐から出ようとするが、豆腐が硬くなると出ることができないため、そのまま体積を膨張させ、大きな穴をあけます「す」が立つ

湯のなかに食塩(ナトリウム)を入れると、ナトリウムイオンがカルシウムイオンと大豆たんぱく質が結合するのをじゃまするため、豆腐が硬くなりにくく、「す」が立ちにくくなる
また、湯の温度を沸騰させなければ、豆腐内の水分が水蒸気にならないため、「す」が立ちにくくなる


【まとめ】
湯豆腐に(0.5~1.0%)を入れると、豆腐が硬くなりにくいため、「す」が立ちにくい

参考文献 キッチンの科学