水分が蒸発する前に衣がしっかり固まってしまうと、水蒸気が衣の外へ抜け出しにくくなり、カラリと揚がりません
衣がカラリと揚がっている状態とは、衣の水分がしっかり抜けて、水分が抜けた後に油が入り込んでいる状態だからです
衣を作る時、水だけを使わず、お酒を加えて作ります
衣にお酒を入れると、衣の温度がそれほど高くなくてもアルコールが蒸発(78℃)して、グルテンを押し広げながら、衣の外に逃げていきます
このようにして膨らんで隙間の多くなった衣からは、アルコールに続いて水分が抜けていき、そこへ油が入り込んでくるので、衣がカラリと軽く仕上がる
お酒は日本酒でなくても、焼酎などのアルコールを含むものであれば代用できる
日本酒の場合は、お酒1に対して水3を目安にするとよいでしょう
※アルコールは天ぷらを揚げている間に揮発します
参考文献 キッチンの科学
さらにおすすめしたいのが衣を作る時に冷たいビールを使う
①グルテンを構成するタンパク質はアルコールに溶けるため、グルテンの生成が抑えられる
②ビールに含まれる炭酸ガスで、ころも内にたくさん気泡ができ、サクサクした食感になる
参考文献 台所科学 料理のコツ
ここからは主観です
注意しなければいけないのが、
①酒を入れると、当然酒の味が入る
②糖質が入るため、衣が焦げやすくなる
また、【グルテンを押し広げる】だけを考えた場合、ベーキングパウダー(膨らし粉)を使う方法もあり、市販のてんぷら粉の多くにはベーキングパウダーが入っている