料理の「さしすせと」とは
①さ・・砂糖
②し・・塩
③す・・酢
④せ・・醤油(昔は「せいゆ」と書いた)
⑤そ・・味噌
となっており、一般的に味をつけるときにこの順に入れることが好ましいとされている。
【理由】
●砂糖と塩は、それぞれ分子イオンという非常に小さな粒にバラバラになる。
塩は砂糖より浸透圧が高く、※₁小さい粒なのでしみこみやすいとされてる。そのうえ、素材を引き締めるはたらきがあるため、先に塩を入れると後から入れる砂糖がますますしみこみにくくなる。一方砂糖は、食材の細胞組織を柔らかくし、他の調味料の味もしみこみやすくする特性がある。そのため、塩より砂糖を先に入れることが良い。また、醤油にも塩分があるため、塩と同様に砂糖の後に入れる。
砂糖は分散性を良くする
●酢は、揮発性があり、早く入れると調理の熱で香りが飛んでしまう。さらに、短時間加熱するとタンパク質を固める作用があるため、塩以上に食材に味をしみこむのを妨害することから、塩の後に入れる。
●醤油と味噌は、加熱によって風味が損なわれやすい調味料である。そのため、最後の方で加える。
酒とみりんは、アルコールが含まれているため一番初めに入れることで、「生臭みを消す」「味のしみ込みをよくする」といったアルコールによる調理効果がより発揮できる。
※絶対に「さしすせそ」の順で味をつけなければならないという訳ではなく、あくまでこういった原理で「さしすせそ」と呼ばれている。
※₁砂糖や塩を加熱しながら食品に添加すると、それぞれの分子は濃度の濃い方から薄い方に拡散する。調味料によって分子の拡散速度は異なり、砂糖より塩の速度は大きいため、塩は食品の内部に早く到達する。