酪酸菌とは

酪酸菌とは

酪酸菌(らくさんきん)とは、酪酸を生成する嫌気性細菌(酸素が無い環境で活動する菌)のこと。
強酸・強アルカリ、乾燥条件下などでは芽胞(がほう)(耐久性のある細胞構造)の状態で存在し、環境が良好になると改めて育成する。
そのため、動物の消化管内常在菌として存在する。

【酪酸菌の特徴】
●芽胞の状態で酸の強い胃を通過し、腸内に生きたまま届く
嫌気性のため、ほぼ酸素が無い大腸で発芽・増殖し、腸内環境を整える
●耐塩性があるため、ぬか床にも多く生息悪臭の原因(履き古した靴下の臭い)になる。
●腸のいやし菌ともよばれ、善玉菌の繁殖を助け、腸の粘膜を修復する

発酵食品と微生物

参考文献 発酵検定

洗濯用洗剤と細菌

洗濯用洗剤と細菌

※今回はネタ話です

バチルス属細菌は、非常に生産性が高く、さまざまな物質を分解する酵素を大量に生産するものが多い。
しかし、発酵食品に用いられるバチルス属細菌は納豆菌くらいである

一方で、工業的には非常に重要な微生物となっており、酵素の工業的な最大用途は洗濯用の洗剤である
洗剤用の酵素としては
●垢汚れを分解するプロテアーゼ
●油汚れを分解するリパーゼ
●食べ物のカスを分解するアミラーゼ
●汚れが絡みつく繊維を溶かすセルラーゼ
などが用いられる

商業用の洗剤用酵素として成立するためには
①アルカリ性の環境下で効くこと
②界面活性剤に対して強いこと
③アレルギー性がないこと
④水に溶けやすいこと
⑤大量生産できること
⑥保存性が良いこと
⑦高温で育成できる(生産性をあげるため)

こうした条件をすべてクリアする酵素を生産する微生物が探し出されて、実用化されているが、その大部分がバチルス属細菌である

参考文献 発酵の科学

納豆菌について

納豆菌について

納豆菌は、納豆づくりに欠かせない細菌で、分類名をバチルス・サブチリス・ナットウといいます。
稲(いね)わらに生息し、稲わら1本に約1000万個が芽胞(がほう)(耐久性のある細胞構造)の状態で付着。
納豆1gには約20億個の納豆菌が存在する

【納豆菌の特徴】
●40℃(45℃まで)が適温で最も繁殖するが、芽胞の状態では100℃でも死滅しない。納豆菌の芽胞は、約120℃で15分加熱してようやく死滅する
●芽胞をつくり休眠状態になると、酸にも強い状態になり、胃酸に耐えることができる。その後、胃を通って腸に達してから発芽する
●好気性(酸素がある環境で活動する)
耐塩性がない
繁殖力が強い(冷凍しても乾燥させても死なない)
●アルカリを生産する

発酵食品と微生物


ここからは主観です
あまりにも強い菌のため、酒蔵や醤油蔵など、麹を扱う場所では納豆を食べてはいけないと言われていたようだ

参考文献 発酵の技法 発酵検定 発酵の科学 発酵はおいしい