サンドイッチにマヨネーズを塗っても、水分は遮断できない

サンドイッチにマヨネーズを塗っても、水分は遮断できない

サンドイッチのパンにマヨネーズを塗ることで、「野菜(具材)の水分をパン染み込まなくする」っというのを聞いたことがあるかもしれません。
結論から言うと、これは間違いです

イメージだけでいれば、「マヨネーズは油だから、油の層がパンと水分(具材)を遮断しているのでは?」っといったところでしょう
しかし、マヨネーズは水中油滴型のコロイド状態になります。

水中油滴型・・水の中に油が分散したもの

 

一方で、バターを塗った場合は水分を遮断できます
なぜなら、バターは油中水滴型のコロイド状態だからです

油中水滴型・・油の中に水が分散したもの

※上記の図は、説明のためかなり極端に描いた図ですが、原理はこんな感じです

実際にパンに何も塗らない場合と、バターを塗った場合を比較したら、パンが吸水する水分量は2倍以上違うとされている。

参考文献 「こつ」の科学

粘度のある食品の味と風味について

粘度のある食品の味と風味について

食材(液体)の粘度が増すと、味の感じ方はどうなるのか?

硬さによって味が変わる?

粘度と呈味効率


上記二つの記事の内容は矛盾しているため、今回は私なりの解釈を説明する。

粘度が増すと、味が感じやすくなる理由
●口の中の食材(液体)の滞在時間が伸びる
●食材によく絡むため、口に入れたときに食材と絡み食材の形状による刺激がある
(イメージとしては、飴と金平糖の違い)

粘度が増すと、味が感じにくくなる理由
●唾液と混ざりにくく、口に入れた瞬間の刺激が弱くなる
●香り成分が揮発しにくくなるため、風味(フレーバー)が感じにくくなる

★食塩は、粘度が増しても感じ方は変わらないとされている


粘度と味の関係性は、実はハッキリと判断できない
理由としては
①舌で感じる味覚と、風味(鼻から抜ける香り)を混同してしまう
②味という定義が、「口に入れた瞬間感じる味覚」なのか「口の中に濃厚に残る感覚」なのかハッキリしない
③温度帯や、味の種類(甘味、辛味など)によって、感じ方が変わる

結論としては、「料理によって違ってくるため試してみるのがはやい」である。

水分活性と菌の増殖

水分活性と菌の増殖

※難しい話はカットします

まず初めに、【菌の増殖と水分について】の記事を読むことをお勧めします。

水分活性(Aw)とは、菌が増殖するのに必要な水分(自由水)を表す指標である。
1.00~0.00の表示となっており、1に近づくほど自由水が多く、0に近づくほど少ない
つまり、0に近づくほど菌が増殖しにくい

水分活性(Aw)を下げる方法には、塩漬け砂糖漬け、乾燥などがある

表1

水分活性(Aw) 食品 微生物の発育最低Aw
0.9以上 野菜、果物、肉、魚介類、水産練り製品、チーズ、パン、バター 0.91以上で腐敗菌
0.9~0.8 カステラ、サラミソーセージ、穀類、豆類、塩鮭 0.88以上で酵母菌、0.8以上でカビ
0.8~0.6 味噌、醤油、ジャム、佃煮、塩から、魚の干し物、乾燥果実、でんぷ 0.75以上で好塩菌、0.65以上で乾燥カビ
0.6~0.5 煮干し、干しめん(水分12%)、香辛料(水分10%)、鰹節、キャンディー
0.5~0.3 乾燥全卵(水分5%)、ビスケット(水分3~5%)
0.2 粉乳(水分2~3%)、乾燥野菜(水分5%)、コーンフレーク

表2

水分活性(Aw) 砂糖水の濃度(%) 食塩水の濃度(%)
0.995 8.51 0.872
0.990 15.4 1.72
0.980 26.1 3.43
0.940 48.2 9.38
0.900 58.4 14.2
0.850 67.2 19.1
0.800 23.1

上記の表から分かること

●醤油や味噌は0.8~0.6Awのため腐らない(一般細菌は0.91Aw以上で増殖)
●非常食のビスケットなどが腐らないのは0.5Aw以下なため
19.1%以上の濃度の食塩水(0.85Aw)ではないと、菌が増殖する
つまり、塩を少し入れた程度では菌は増殖する(人に好まれる塩分濃度は0.8~1.0%)
ジャムの場合、砂糖を加えてさらに煮詰めて水分を飛ばすため高濃度になっている


ここからは主観です

今回は、菌が増殖する話であって【おいしさを保存する話ではありません
実際の食品は、空気によって酸化され味を劣化させていきます

また、現実にはどれほど乾燥させていても、空気中の湿気を吸って水分活性(Aw)を上げてしまうので注意が必要です。

参考文献 新訂調理科学 アサマ化成株式会社食品衛生ミニ講座