「ざらついた」感触

「ざらついた」感触

ある実験で、簡単なジグゾーパズルを完成させてもらう。

片方はピースがサンドペーパーで覆われており(ざらついた感触)、もう片方は同じジグゾーパズルでピースの表面が滑らかである。
パズルができたら、ある会話を記した文章を読んでもらう。
その会話は、人間関係をわざとあ曖昧にしてある。

被験者にそれがどんな会話化を評価してもらうと、
ざらざらのジグゾーパズルを解いた人は、滑らかなピースのパズルを解いた人よりも、会話を(友好的ではなく)敵対的、(協調的ではなく)競争的で、話し合いと言うよりも論争に近いものとしてとらえるという傾向がでた。

ざらざらな手触りという身体的な経験が社会的な会話の評価を変化させ、会話を比喩的に言えば「ざらついた」ものに感じさせたということである。

暖かいコーヒーと冷たいコーヒー
口内の圧感について


ここからは主観です。

これは食事のさいに使われる食器や器などでも同じことが言えると考えられる。
例えば木製の食器を使えば、(熱伝導率や触感は当然違うが)、木の手触りから健康的な食事に感じたりすると思われる。

どちらかと言えば、滑らかな感触→会話が協力的、という考えよりも、

滑らかな感触→気持ちいい(各個人の感想)→会話が強力的
という、各個人の経験則的な心理状態が間に挟まっているのではないかと個人的には思う。

そのため、例えばスベスベした毒カエルが生息する地域で、「スベスベしたものは危険」と認識して育った人が同じ実験をすれば、結果は変わっていたと考えられる。

参考文献 触れることの科学

温かいコーヒーと冷たいコーヒー

温かいコーヒーと冷たいコーヒー

ある実験では、建物に入ってきた被験者を、女性の実験助手がロビーで出迎える。
助手の手にはコーヒーの入ったカップと、クリップボードがある。
研究室の階まで上がるエレベーターの中で、助手は被験者の情報をクリップボードの用紙に書き込みながら、何気なく、コーヒーを持っていてもらえないかと頼む。

コーヒーを返してもらったら、被験者を実験車のところに案内する。
その際、ある被験者にはホットコーヒーを、別の被験者には冷たいコーヒーを手渡す。
研究室に着いた被験者はすぐに、架空の人物に対するアンケートを実施する。

アンケートの内容は割愛するが、この時のアンケート結果が持ったコーヒーの温度によって変化する。
温かいコーヒーを持った被験者は、アンケートの出てくる人物を暖かい人(人間的、信頼できる、友好的)と判断した。

つまり、ごく短い時間、手の皮膚に身体的な温かさを感じた経験が、実際に対人的な温かさの印象を与えたのである。

器が重いとおいしく感じる

参考文献 触れることの科学

味覚の劣化

味覚の劣化

味覚は他の感覚よりも加齢による劣化が少ないとされている。

この理由としては、味覚の刺激はほぼ必ず、意識的な味の知覚と無意識的な代謝運動の両方を引き起こす。
これは、栄養素の刺激でも毒物の刺激でも同じであり、この二重の性質ゆえに、加齢による劣化が少ないと考えられる。

味蕾の成長と老化
味覚の情報の伝達経路

参考文献 40人の神経科学者に脳のいちばん面白いところを聞いてみた