油は空気中での長時間放置や紫外線、長時間の加熱により酸化が進む。
揚げ油はとくに空気にふれる状態で高温で加熱されるので酸化が進み、食味の低下が起こる。
油の劣化が進むにつれて、油の色は濃い茶褐色になり、ペンキ臭をおび、粘性、発煙点が下がる(低温で煙がでる)などがある。
劣化の見分け方は、揚げ物の泡立ちをみるとよい。新しい油は材料の周囲に大きな泡ができるが、材料を取り出すとすぐに消える。劣化が進むと、小さい泡(カニ泡)が鍋全体に広がり、材料を取り出しても泡はなかなか消えない。このような状態を、油の疲れともいう。
油を長持ちさせる方法 ※古くなった油を再生させる方法は存在しない
①揚げカスをこまめにとる
揚げカスが残っていると、カスが焦げればそれだけで油の酸化が進むため
②新しい油を加える
勘違いしてはいけないのは、これは単純に疲れた油を薄めるっという意味ではない
油の酸化作用は連鎖して起こる(酸化した油が新しい油を酸化させるので加速度的に酸化する)ため、新しい油を足すと酸化スピードを遅らすことができる
効果的な差し油タイミングは、野菜を揚げて、これから魚や肉など油の劣化が急激に進める材料を揚げる前である
③揚げ終わったら、油を別容器に移す
これは、油の温度をはやく下げるっという意味と、空気に接する面積を減らすことで酸化を遅らせる
④光が当たらない冷暗所で保存する
油は紫外線で劣化が進むため
牡蠣(カキ)やイカは後から揚げる
バターがアルミ箔で包まれている理由
古い油で揚げ物をしてもカラリ揚がらない理由
油の量を減らして揚げ物をした場合、味は変わるか?
【嘘シリーズ】
●パン、青菜、梅干しを揚げる方法
●大量の水を加えて一時的に激しく泡立てる方法
●天ぷらの衣を大量に入れて、揚げ玉をすくいとる方法
●白土(しらつち)と活性炭の混合物で処理する方法
●使い終わった最後に、油を高温にして水気を飛ばす方法。水の沸点は100℃のため、170℃ぐらいで揚げ物をしている場合、すでに蒸発している
これらは全て無意味である。