同種の味を持つ2種類以上の呈味物質(ていみぶっしつ)を混合したとき、それぞれの味の強さ以上に強くなる場合で、うま味や甘味について知られている。
『うま味の相乗効果』L-グルタミン酸(MSG)ナトリウムと5´-イノシン酸(IMP)ナトリウムの薄い混合液は著しく強い相乗効果を示す。
こんぶ(グルタミン酸)と削り節(イノシン酸)のだし汁 (混合比1:1)は、グルタミン酸単体の場合より7.5倍のうま味強度となる。
食品 | グルタミン酸量 | 食品 | イノシン酸量 |
チーズ(チェダー) | 5400mg | 煮干し | 350~800mg |
干しのり | 4200mg | かつお節 | 470~700mg |
真昆布 | 1700mg | マグロ | 250~360mg |
ブロッコリー | 920mg | いわし | 280mg |
牛乳 | 560mg | あじ | 270~270mg |
キャベツ | 370mg | しらす干し | 240mg |
生しいたけ | 320mg | 鶏肉 | 150~230mg |
ほうれん草 | 300mg | 豚肉 | 230mg |
トマト | 260mg | 牛肉 | 80mg |
また、グルタミン酸とグアニル酸も味の相乗効果がみられる。(こちらは、グルタミン酸とイノシン酸の相乗効果より弱い)
食品 | グアニル酸 |
干し椎茸 | 150mg |
海苔 | 3~80mg |
えのきだけ | 50mg(加熱時) |
ドライトマト | 10mg |
小難しい事を書いたが、ダシなどにこの特性はよく使われる。
和 昆布(グルタミン酸)+カツオ(イノシン酸)
洋 タマネギ・ニンジン・セロリ(グルタミン酸)+牛肉(イノシン酸)
中 タマネギ・ショウガ(グルタミン酸)+鶏肉(イノシン酸)
また、鍋料理はもちろんだが、牛肉を入れた野菜炒めですら味の相乗効果を利用している。
ここからは主観です。
上記の内容から日常の料理に役立てれることは【味の素】(グルタミン酸)の使い方である。
例えば、モヤシ炒めをする場合、肉(イノシン酸)は入っているがグルタミン酸は少ないため【味の素】を入れる等である。(※モヤシはグルタミン酸が少ない)
中華料理店症候群とは
参考文献 総合調理科学事典 おいしさの科学味を良くする科学 調理と理論 マギーキッチンサイエンス 特定非営利活動法人うま味インフォメーションセンター