家で作ったコロッケは、時間が経つとべたつくけど、お肉屋さんで買うと時間がたってもべたつかないというものがある。
この理由は、揚げ油が違うため。
油脂は常温で液体のものを“油”、固体のものを“脂肪”と呼び、また植物から摂取された油を“植物油”、動物から得られた油を“動物油”と呼ぶ。
【植物油脂】
種子油・・大豆油、ナタネ油、アマニ油、ヒマワリ油など
果実油・・パーム油、オリーブ油
核油・・・ヤシ油、パーム核油
胚芽油・・コメ油、トウモロコシ油
【動物油脂】
動物脂・・牛脂、豚脂、羊脂
海産動物油脂・・鯨油、イワシ油、ニシン油など
乳油・・牛乳脂肪(バター)
今回は、ナタネ油、牛脂、豚脂について解説する。
●ナタネ油は、日本で食用油として最も消費は多い。また、安定性が高く、融点が低い(0℃以下)。
●牛脂(ヘット)は、融点が高く(40~50℃)食用、フライ用に使用される。
●豚油(ラード)は、部位によって融点が異なり、内臓の蓄積脂肪は融点が高く(34~40℃)、背、腹などの皮下脂肪組織からのラードは融点が低い(27~30℃)。
上記の事から
①揚げ物は、常温で固体の牛脂やラードを使うと冷めてもサクサクしている。
②牛肉は熱々で食べるときには脂が融けて美味しいが、冷めると口融けが悪くまずい。
③豚肉は、融点が35℃前後なので口の中で脂が融けるため冷シャブのように冷たい料理にも合う。
つまり、冷めてもおいしいコロッケの揚げ油は常温で固体、食べたら口の中で融けるラードになる。
ただし、豚や牛の種類によって融点が変わる。
また、油脂によって風味や味も違うため、料理に合わせる必要がある。
このように、揚げ物の「冷めるとおいしくない理由」は、
油の種類と融点を知ることで、かなり説明できます。
実はこれは、コロッケだけでなく、
・フライがべたつく
・天ぷらが時間で重くなる
・肉の脂が冷めるとまずくなる
といった失敗にも共通しています。
これらを「料理科学の視点」でまとめた記事を、
noteで体系的に解説しています。
ハンバーグは手でこねない
しゃぶしゃぶは煮えすぎると美味しくない
フライは天ぷらより冷めてもおいしい
洋食店と精肉店でコロッケの形が違う理由
※この記事は、
「料理科学の森|初心者勉強マガジン」で扱っている
内容の一部を、単体記事として公開しています。
・なぜ揚げ物は冷めてもおいしいものと、まずいものがあるのか
・油脂の融点と料理の相性
・家庭料理が店の味にならない本当の理由
などを、調味料・油脂・食材構造から
体系的に学びたい方は、こちらをご覧ください。

