フリーズドライ食品

フリーズドライ食品

「フリーズ」とは凍らせること、「ドライ」とは乾燥することです。
例えば、インスタントコーヒーを作る場合、コーヒーを乾燥させるため水分を取り除かなければいけません。
水分を取り除くためには沸騰させなければならず、そのためには100℃以上に熱し続け、コーヒーの水分を蒸発させなければなりません。
しかし、100℃で加熱し続けると、香りが飛んでしまうなど、様々な問題が発生します。
そこで、加熱しないで水分を蒸発させる方法を使います

ドライアイス(二酸化炭素の個体)は、低温では個体なのに、室温では気体になります。
つまり、液体の状態を通らず「個体→気体」と変化します。この反応を昇華(しょうか)と呼びます。

水は0.06気圧(気圧を低く)にすると、0.01℃以下の温度(低い温度)で昇華します
つまり、氷が水になることなく、直接、水蒸気になって出ていきます

【まとめ】
フリーズドライ食品は、食品を液体窒素を用いて、-40~-30℃のもとで急速に凍結し、細かい結晶となった水分を高い減圧下で昇華により乾燥させます。

冷蔵庫内が乾燥する理由
ウォーターオーブンとは
ドライアイスについて

参考文献 総合調理科学事典 食品の科学

解凍と冷凍の速度について

解凍と冷凍の速度について

水の熱伝導率は0.56、氷の熱伝導率は2.22と水の熱伝導率は氷の約4分1になります。
これにより、解凍は冷凍に比べて熱伝導率が遅いことが分かります
結果、冷凍食品が大きく厚みがあるほど、解凍過程において食品表面と内部では温度差が大きくなります

【説明】

冷凍の場合
5℃の水(食品)を-5℃の冷凍庫で凍らす

食品表面と内部では温度差は、そこまで大きくない

 

解凍の場合 
※数字は説明を分かりやすくするため適当です


氷の表面で溶けた水は、熱伝導率が低いため膜のようになる
結果、中心温度と表面温度の差が大きくなる


ここからは主観です
氷(冷凍食品)が大きく、厚くなるほど、中心温度との差が大きくなってしまうので注意が必要です

参考文献 料理のなんでも小辞典

食塩と寒剤

食塩と寒剤

氷に塩を混ぜると凝固点が下がる
上記の記事の深い内容になります

食塩は氷の表面で、氷から溶けた水に溶け込んで溶液をつくります。この時、濃い食塩水ができるが、氷とは濃度が均衡状態ではないため、濃度を均衡させようとして、より多くの氷を溶かして水に変えます。
このとき氷1gが水になることに対して約80calの熱を吸収します。その結果、氷自体の温度も急速に低下し、寒剤としての役目を果たす

寒剤 氷100gに対する量(g) 最低降下温度(℃)
33 -21.3
塩化カリウム 30 -10.9
塩化アンモニウム 25 -15.4
塩化マグネシウム 80 -34.0

塩と氷の配合が、1対3の場合が最も低温になる

砂糖、塩、アルコールにおける凝固点降下

参考文献 調理事典 うまさのサイエンス