干しシイタケは水温20℃では20分、10℃では40分前後で吸水を完了するが、これだけの時間水につけておくことは、干しシイタケのうま味成分をかなり失うことになる。つけ水をそのまま調理に使うときは差し支えないばかりか、むしろ半日もつけてうま味を溶け出させる方がよいが、干しシイタケそのものの味を目的とする煮ものの場合には味が溶け出すのは好ましくない。
そこで、ぬるま湯のなかに砂糖を少し加えておくと、シイタケ内部との濃度差が少なくなるため浸透圧による成分の溶出を遅らすことができる。
加えて、干しシイタケに砂糖の味が多少しみこむことは味の妨げにはならず、煮ものの材料に使う場合は、なかまで砂糖が先にしみこんでいるほうがむしろ大きなプラスになる。
参考文献 「こつ」の科学