オーブンで長時間、丸ごとの鶏や肉のかたまりを間焼いていると、高温の空気が当たり続けて表面が乾いてきます。この時オーブンプレートにたまった焼き油を肉にときどきかけることで乾燥を防ぎます。これはアロゼ(arroser)という手法です。
アロゼのメリット
①肉に油をかけると、表面がコーティングされ、水分の蒸発を防ぐことができる
②油は高温になりやすく熱を伝えやすいので、むらなく焼き色がつく
(※油を塗らない場合、肉表面の水分が100℃で蒸発するため高温になりにくく、乾燥する)
③肉から出た焼き油には、タンパク質やアミノ酸、還元糖を含んだ肉汁も混ざっているので、メイラード反応(アミノ・カルボニル反応)が促され、こうばしい焼き色や風味を増す
あまり頻繁にオーブンの扉を開けると、庫内の温度が下がってしまうので、目安は10分に1回ぐらいです。
オーブンで焼くとき以外にも、ソテ(フライパン等で焼く)するときにアロゼ(焼き油をすくってかける)をする場合がある。
フライパンで肉などを焼く場合、下からしか熱が通らないが、アロゼ(焼き油をすくってかける)をすることで、上からも熱が通る。これにより、厚みがあり火が通りにくい素材も表面が乾かず、しっとり仕上げることができる。
「肉汁が肉にしみ込んでジューシーになる」というのは間違い。
筋組織には水分を吸収する能力はまったくない。
ローストする時にオーブンに野菜を一緒に入れる理由
肉をフライパンで連続で焼く
参考文献 西洋料理のコツ 基礎からわかるフランス料理 料理の科学大図鑑