新鮮な生野菜の細胞膜は、水は通過できるがその他の物質は通過しにくい半透性の膜である。これを水に浸すと水は細胞膜を通って内部に侵入するが、内部の物質は外へ出れない。細胞内外の物質濃度が等しくなるように、薄い方から濃い方へ水が移動しようとするため、細胞内部は侵入した水で圧力が高まり(浸透圧)、ピンと張った状態になる。(シャキシャキになる)
つまり、せん切り野菜を水に漬けるのはこうして野菜の歯ざわりをよくするためである。また、温度が高いと細胞自身がしんなりと軟化するため冷水(氷水)で行う。
なお、水に漬けて組織に張りを持たせるといっても、あまり長時間になり、吸水が限界に来ると、逆に組織の中から水の方へビタミンCなどの栄養素が溶けだす。
2mm幅のキャベツの千切りを30分間浸水させた場合、ビタミンCの残留率が77%となる。つまり、23%抜け出すのだが、これを多いと取るか少ないと取るかは各人の判断となる。
理論上、もっとシャキシャキにするには、1度野菜を50~60℃で茹でた後、氷水に漬け込むである。