野菜を茹でると一度固くなってから柔らかくなる。
【理由】
野菜を茹でると50~60℃付近では主にかたくなる現象(硬化現象)が起き、80~90℃付近では主にやわらかくなる現象(軟化現象)が起きる。
これは、細胞同士をくっつける働きをしている※ペクチンの構造が、温度によって変化するため。
野菜が50~60℃付近でかたくなるのは、野菜に含まれるペクチンメチルエステラーゼと呼ばれる酵素がこの温度帯で活発に働くため。
一方で、80~90℃付近になるとこの酵素が働かなくなりペクチンが熱で分解されるためやわらかくなる。
また、ぺクチンはpH5以上の溶液中ではpHが高いほど加熱すると軟化し、pH3以下でも加水分解により軟化する。(※重曹を加え、アルカリ性に傾けると柔らかくなるのはこのため)
さらに、pH4で最も軟化しにくいため、食酢を加えると歯切れがよくなる。(ごぼうやれんこんを茹でる際に食酢を加えて歯切れのよい仕上がりにするのはこのため)
※ペクチンは植物の細胞壁を構成する物質の一つ
ミョウバンについて
———————————————————————————————-
ここからは主観です。
上記の知識を料理に使用する場合
①野菜炒めは低温(弱火)で行う事で、シャキシャキ野菜炒めができる。(水島弘史シェフ 料理の新常識)
②サラダに使うレタスなどを歯ごたえのある状態にできる。(50℃ぐらいのお湯に3分ぐらいつける)
※今回の記事は、かなり内容を省略していますので、実際の化学変化はもっと複雑です。また、使用例では、あくまで野菜をかたくするのが目的であって、美味しくなるとは全く別の話になります。