酢豚などにパイナップルが入っている場合がある。
これは、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)により、肉を柔らかくするため。
プロテアーゼには、微生物由来のものと植物性由来のものがある
しかし、家庭や個人料理店で考えると、酵素類の入手や取り扱いの点から植物性由来のものを使う事になる。
一般的には、パパイヤ、イチジク、パイナップル、キウイフルーツ、しょうがのしぼり汁などがあげられる。
これらを振りかけてから調理すれば効果があるが、肉の塊では搾り汁のかかったところだけが部分的に加水分解が起こり、表面のみ柔らかくなってしまう。
そこで、フォークや串なので刺して中心部まで搾り汁を浸透させることが必要となる。
至適温度 | 活性pH | |
パパイヤ | 80 | 3.0~10.0 |
イチジク | 80~90 | 4.0~7.0 |
パイナップル | 35(60℃以上で失活) | 6.0~8.0 |
キウイフルーツ | 40 | 4.0 |
しょうが | 60 | 5.0 |
洋なし | 60 | 5.5 9.0 |
メロン | 75 | 10.5 |
マイタケ | 55 | 3.0 7.0 |
※上記の表より、加熱処理された缶詰のパイナップルには肉を柔らかくする効果がないことが分かる。
肉の熟成について①
キウイフルーツにタンパク質分解酵素がある理由
参考文献 パインアップル果実の糖、有機酸、ブロメラインにおける品種間差異、季節および収穫後の変化 食肉タンパク質におよぼすイチジク果実プロテアーゼの基本的性状 今さら聞けない肉の常識 マイタケ由来タンパク質分解酵素の食品加工利用