酢の特性

酢には調理上様々な特性があります。今回はそれを見てみましょう。
酢の特性としては

①酸味と風味を付与

②食材の色に影響する
●緑色のクロロフィル色素(ほうれん草等)は酸性のため退色する。
●アントシアニン色素(ナス)は、酸性で赤系統の色に発色したり、安定して退色しにくくなる。
●野菜等の酵素的な褐変を防ぐ。(れんこんやゴボウ)

③硬さに影響する
●酢は酸性のため、ペクチンの分解を抑えてやわらかくなりにくい(れんこんを茹でる時酢を入れる)
●酢を加えることで、肉が軟化する(マリネ処理)
●こんぶを煮るとき酢を入れると柔らかくなる。こんぶ、ひじき、わかめなどの褐藻類(かっそうるい)の細胞壁には、アルギニ酸が含まれている。遊離あるいは、カルシウムの結合したアルギン酸は不溶性食物繊維であり、藻体を保持する役目を果たす多糖類である。有機酸による軟化は、アルギン酸の調味液への溶出度が多く、アルギン酸の重合度・吸水能の低下が著しく、カルシウムの離脱量が多いことから生じる(NEW 調理と理論 p534より引用)

④魚臭(トリメチルアミンなどの塩基性成分の揮発)を弱める

⑤肉のタンパク質を変性させ、肉がしまる。魚肉たんぱく質のミオシンの性質により、食塩を加えて塩締めした肉では生肉の等電点よりも酸性側では水和性を失って膨潤度が低い、アルカリ性では膨潤性が増す。(魚の酢しめ)

⑥たんぱく質の加熱変性を助ける(卵が固まりやすい)

⑦ビタミンCの酸化を抑える

⑧殺菌、制菌作用がある

⑨塩味との相互作用(強い塩分を和らげ、弱い塩分を補う)


調理上、酢には上記の特性がある。

ここからは主観だが、上記には「肉が軟化する」と「肉がしまる」と矛盾することが書かれている。どっちだよ!っと言いたくなるが、同時にこれが起こるためどっちも正解という事になる。こういった矛盾が調理中に起こるから料理は難しい。

参考文献 NEW調理と理論 マギーキッチンサイエンス 総合調理科学事典