他人の家を訪れたとき、玄関に入った途端にその家特有のにおいを感じることがある。しかし中に入ってしばらくすると、そのにおいを感じなくなり、意識しなくなる。
この現象は、空気中からにおい物質がなくなったのではなく、私たちの鼻がそれを感じなくなったのである。これは嗅覚の順応と呼ばれる現象である。しかし、あるにおいを感じなくなっても、他のにおいがしてくれば感じることができ、この現象を選択的嗅覚順応と呼ぶ
「人間はにおいの濃い薄いをどうやって判断しているか?」
簡単に言えば、人間の鼻の感知機能は
①非常に薄い濃度でも感知できる受容体
②濃い濃度でしか感知できない受容体
があり、薄い場合は①しか働かないが、濃い場合は①と②の両方が働き、濃く感じるというもの
ここからは主観です
同じ料理を食べ続けると、においが感じにくくなるのと同じである。その為、ワインを飲んだり、違う料理を食べたりすることで再びにおいを感じることができる。
もっと言えば一つの料理の中でも、ソースや香辛料、付け合わせなどを用意することで嗅覚の順応を防ぐことができる。
ちなみにネタ話だが、悪臭を嗅いでにおいがずっと残るというものがある。これは、鼻毛や鼻の中の粘膜に臭いの粒子がついて取れないといった現象で、「鼻毛を切る」「鼻うがいをする」と収まるようです。
参考文献 香料の科学