酸味は特に長続きしない味として知られている。
酸っぱい味とは、水素イオンの味が大部分だといえる。唾液に含まれている重炭酸イオンにより、水素イオンは減らされ、口の中が中性に戻る。すなわち、唾液により酸味の成分を減らし、「酸っぱい」を緩和する。
私たちは酸っぱいと感じたら、唾液でその酸っぱさをすぐに緩和するということを、今までの経験で学習しているため、「酸っぱい」を疑似体験する(考える)だけでも唾液が出てくるのだ。
塩味もあまり持続しないという。塩味は主にナトリウムイオンであり、イオンを介して味を感じるという点は、酸味と同じである。
甘味・苦味・うま味は複雑な化学反応で味を感じているので、持続性がある。
加えて辛味は、油にとけやすい脂溶性の物質である。だから辛味物質は細胞膜の脂質となじみながら、辛味を徐々に舌に伝えるため「じわじわと辛くなってくる」のである。
参考文献 「味覚力」を鍛えれば病気にならない