「嗜好癖は本人のあずかり知らぬところで形成される」というものがある。
こうした自覚のない「好み」について、人で試した実験データがある。
乳児のそばに白いウサギのぬいぐるみを置く。
脳にはバイオフィリア(生き物が好き)という性質がある。
乳児は、教えられたわけでもないのに、ぬいぐるみに好奇心を示し、近寄っていく。
そこで近寄った瞬間に背後からドラを大音量で鳴らす。
乳児は大きな音が嫌いだから、驚いて泣き出してしまう。
これを何度か繰り返すと、やがて、白いウサギのぬいぐるみに近寄るのを止めてしまう。「条件付け」と呼ばれる現象。
さらに、この乳児は、ウサギのぬいぐるみだけでなく、類似したものまで嫌いになってしまう。
実物の白いウサギや白いネズミはもちろん、白い物全般が嫌いになってしまう。
乳児はこの実験のせいで、白いものが嫌いなままかもしれない。
しかし本人には嫌いな理由が分からない。
何故なら、物心がつく以前の経験のためである。
結果、ただなんとなく生理的に嫌いという状態におちいるのである。
参考文献 脳には妙なクセがある