ウイスキーを貯蔵する樽に用いられる木材は、英語で「オーク」と総称される樹種(コナラの一種)に限られている。
ウイスキーはこの樽の中で貯蔵しないと熟成しないとされている。
貯蔵している間に、樽のオーク材から多くの成分がウイスキーに溶け出しているが、オーク材の成分を抽出して加えただけではウイスキーにはならない。
樽の中では様々な様々な反応がおこり、新しく多くの成分ができてきて、複雑に絡み合い変化していく。
具体的にわかっている反応は、
●樽を通して徐々にウイスキーに溶け込む酸素による化学反応
●酸化生成物とアルコールによるアセタール化学反応やエステル化学反応
などである。
しかし、これらの反応生成物だけでは、熟成ウイスキーの品質について説明できず、なぜそうなるのかはよく分かっていない。
確かに言えることは、未知の反応も含めて多くの化学反応がバランスよく並行して進むためには、オーク材質のこの形状の樽が適しているということである。
参考文献 ウイスキーの科学