牛乳は成分の85%が水分である。残りはタンパク質、糖分、脂質など。牛乳を温めて、60~65℃以上に加熱すると皮膜ができる。
この皮膜は加熱時間と温度に比例して厚くなり、箸ですくいとれるようになる。
これは、牛乳中に分散している脂肪球が、加熱によって凝固したタンパク質と絡んで浮き上がり、表面に薄い膜を張らせることで生じる。
牛乳の吹きこぼれ
→牛乳に含まれるアルブミン、グロブリンという熱で凝固するタンパク質が脂肪球の層に入り込んで膜をつくる
(牛乳のタンパク質の7~8割はカゼイン)
牛乳1本(180ml)を加熱して生成する皮膜重量は1回目には1.2~2.3gで、皮膜除去によって失われる栄養素の全体に対する割合は、タンパク質3.3%、脂質3%、カルシウム3%、ビタミンA3.5%、ビタミンB₁ 1.5%、ビタミンB₂ 1.3%程度であった。
この量は栄養素の損失量の面からは問題にならない程度であった→牛乳を加熱すると、脂肪球(細かい粒子状で分散されている)がお互いにくっついて大きくなり、水より軽いため表面に浮かび上がる
牛乳をかき混ぜながら加熱すると、この皮膜の形成を防ぎ、温度をむらなく上昇させて吹きこぼれを防ぐことができる
参考文献 NEW調理と理論 フランス式おいしい調理科学の雑学