かたまり肉を焼いたときは、すぐに切り分けず、アルミ箔に包んでしばらく置いて、肉を休ませます。目安の時間は焼き時間と同じ時間です。
二度揚げするとカラッと揚がる?
①熱伝導により、肉の中心まで火が通る
②肉汁を落ち着かせるため(焼いてすぐに切ると肉汁が流れ出す)
定説
●肉の中の水の分子は、生の状態ではタンパク質にしっかりと結びついて保水されているが、加熱され高温になると、熱エネルギーを吸収して活発に動き出す。その結果、タンパク質の保水力が弱まり、切り口から肉汁として外へ出てしまう。休ますと、肉は外側から冷めていき、肉全体の温度が均一になって、水分子の運動も小さくなる。
新説
●肉を加熱すると、肉に含まれる水分の一部が蒸発し、肉の表面は熱の影響で乾燥する。肉をアルミホイルで包んで休ますと、乾燥している部分が肉の中にまだ残っている肉汁の一部を吸収する。さらに、肉が少し冷めると、肉汁は濃くなって粘りが出る。その為、肉を切ったときに流れ出にくくなる。
ポイント
●肉を休ませるときに、「冷めてしまうのでは?」と思う方は、アルミホイルを2重か3重にするとよい。
フランス式おいしい肉の教科書から紹介
肉は加熱が終わった後に休ませるのが普通だ。それはそれでよい。だが、もっとよい方法がある。加熱が終了する前に肉を休ませればよい。
加熱が終わってから休ませれば、パリパリに焼けた部分が再び湿気を帯びてしまう。完全に焼き上がる前に休ませ、その後で熱したグリルやフライパン、あるいはオーブンでもう一度加熱すれば、表面が乾燥し、パリパリの食感を取り戻せる。
若鳥のローストなど皮をパリパリさせたい時に用いるとよいテクニックのようだ。
参考文献 フランス式おいしい肉の教科書 西洋料理のコツ 基礎からわかるフランス料理 Cooking for Geeks
肉の科学を「体系」で理解したい方へ
今回の記事では、
肉を休ませる理由について解説しました。
しかし実際の調理では、
・なぜ温度で食感が変わるのか
・なぜA5は溶けるのか
・なぜ若鶏はパリパリになるのか
・なぜ二度揚げで食感が変わるのか
これらはすべて、同じ構造の延長線上にあります。
本質は「肉の水分・脂肪・タンパク質の挙動」を
どう理解するかです。
家庭料理で起こる「なぜうまくいかないのか」を、
料理科学の視点で整理した
初心者向けの辞書をまとめています。

