ニジマスのオ・ブルーの原理

ニジマスのオ・ブルーの原理

ニジマスのオ・ブルーを鮮やかに仕上げる

ニジマスのオ・ブルーは、ニジマスの色が青色になっているのではない
正確にはニジマスの全体を覆っているぬめりが、酢によって白く半透明に固まり、そこから銀色や紺色の体色が透けて映り込み、青白く見えている。

魚のぬめりは、糖たんぱく質で主にできている。
酢をかけると糖たんぱく質が酸によって変性して固まる

また、クールブイヨンで茹でることで、ぬめりに含まれる糖たんぱく質が、熱で強く変性して固まり、色が安定する。
さらに、クールブイヨンは白ワイン酢、白ワイン、レモンなどが含まれた酸性の液体のため、酸によるタンパク質の変性も起こる。

生きたニジマス(鮮度の良いニジマス)を使う理由は、ぬめりがしっかりついているため。
鮮度が悪いと、流通によって物理的な接触が多くなり、ぬめりがとれてしまう。

参考文献 西洋料理のコツ

 

卵の殻を使ってあく引きをする

卵の殻を使ってあく引きをする

卵白のあく引き
卵白のあく引きと食酢

フォンをあく引きする場合、0.3%の食酢と2%の卵殻(らんかく)を加えて加熱すると、食酢や卵殻を加えていないものより透明度が高くなる
この理由は、食酢によりフォンのpH5.5~6.0に下がることで卵殻からカルシウムが多く溶出される。
これにより、カルシウムは卵の凝固作用を促進するため、卵白の清澄作用(せいちょうさよう)が高まるため。

卵白を使ってあく引きをする場合、味を損なわない程度に、野菜やレモン、酢を加え、卵殻を併用すると効果的である。

アクをこまめにとるのと一気にとるのでは違う?

参考文献 卵白によるスープの清澄効果について 新西洋料理本体系

卵白のあく引きと食酢

卵白のあく引きと食酢

卵白のあく引き

卵白を使ってフォンをあく引きする場合、食酢を0.3%加え、全体量の3%の卵白を添加したときに透明度が最も高くなる。


ここからは主観です。
酢を加えることで、タンパク質の凝固作用を促進する。これにより、卵白がしっかり固まりアクを吸着すると考えられる。
また、卵白のpHは7.0~9.0のため入れるほどフォンのpHが高くなりアルカリ性となる。
さらに、グラフを見るとpHが6.5以上のときに卵白を加えると、逆にフォンが濁ってしまう傾向がある。

アクをこまめにとるのと一気にとるのでは違う?

参考文献 卵白によるスープの清澄効果について 新西洋料理本体系