水は圧力を変えても氷点は変わらない

水は圧力を変えても氷点は変わらない

1気圧の場所では、水の沸点は100℃で、圧力が高まると沸点も高まる
圧力を上げると水分子がまとまるため、バラバラになって気体になるには多くの熱量を要するためである。

一方で、水の氷点は圧力を変えてもあまり変わらない
個体である氷は全分子がぎっしりと詰まっているため、比較的少量に対する圧力が高まったとしてもさほど大きな影響を受けないためである。

圧力を下げて香りを抽出する

参考文献 ハーバード料理と科学の教室

砂糖水溶液と温度

砂糖水溶液と温度

砂糖と水を混ぜると、その沸点には砂糖と水の両方の性質が反映される。
溶液を加熱すると、水の分子は糖の分子の20倍ほど軽いので容易に沸騰し、重い糖分子が残る。
水分子が気化して溶液から出ていくと、糖分濃度が上がる。
すると溶液においては、砂糖の性質がさらに強まり、沸点はもっと上がる。

 

冷水に加熱した砂糖と水の混合溶液を落とした場合、下記の現象が起こる

【シロップ】 102℃~113℃ 糸状
粘り気のある液体。

【ファッジ】113℃~116℃ ソフトボール
シロップが、やわらかくて柔軟なボールを形成する。

【キャラメル】118℃~121℃ ファームボール
ボールはさほど平らにならない

【ヌガー】121℃~130℃ ハードボール
ボールがさらに広がる

【タフィー】132℃~143℃ ソフトラック
ボール状や糸状のタフィーが割れ始めることがある

【ハードキャンディ】149℃~154℃ ハードクラック
もろくて簡単に割れる

砂糖の沸点
飴やキャンディーには複数の種類の糖類を加える

参考文献 ハーバード料理と科学の教室

豆腐を茹でると美味しくなる

豆腐を茹でると美味しくなる

豆腐を茹でると、

①大豆タンパク質の立体構造がほどけ、内部の疎水性部分やチオール基(–SH)が露出する

②露出した疎水性部位や電荷部位が相互作用し、タンパク同士が結合して網目状のゲルを作る。凝固剤(にがり等) などによりゲル化が進む

③タンパク質の網目構造が適切に形成されると、水がその中に保持されやすくなり、「しっとり感」「なめらかさ」が出る。同時にゲルが硬く・弾力を持つことで食べごたえが良くなる。加熱時間・温度・構造バランスによってこの保持量が変わる。

④あまり長く強く加熱しすぎると水分が過剰に失われて乾燥感が出たり風味が飛んだり、硬くなりすぎて美味しさが損なわれる。食感がゴムっぽくなる、口当たりが悪くなる

【まとめ】
豆腐を茹でると、しっとり滑らかになり、食味が向上する

ちなみに、豆腐を加熱すると中の水分が蒸発して、食味が向上するは間違いである。
正しくは、「タンパク質のゲル化で水分保持性が変わる」結果、自由水が抜けるである。

参考文献 子葉全粒豆乳と豆腐の物理化学的特性と栄養特性に及ぼす加熱プロセスの影響 豆腐のレオロジー特性とゲル化機構 子葉全粒豆乳と豆腐の物理化学的特性と栄養特性に及ぼす加熱プロセスの影響 大豆タンパク質分離豆腐の食感に及ぼす熱処理の影響