今回はネタ話です。
1920年代のイギリスで。アフタヌーンティーを楽しんでいたときのこと。
ある婦人が「紅茶を先に入れたミルクティー」と「ミルクを先に入れたミルクティー」では、味が全然違うと言いました。
殆どの人は「混ざってしまえば一緒だよ」と夫人の主張を笑い飛ばしました。
しかし、その場にいた現代統計学の父であるロナルド・A・フィッシャー(1890~1962)がテストしてみようと提案しました。
①「紅茶を先に入れたミルクティー」と「ミルクを先に入れたミルクティー」を、合わせて8個用意する。
②これらをランダムに並べ替える
③夫人に目隠しをして、夫人に当ててもらう。
結果、夫人は8杯のミルクティーを見事全てあてました。
その後の研究では、高温の紅茶に常温のミルクを注ぐのと、常温のミルクに高温の紅茶を注ぐのでは、ミルク分子の状態に違いが生じることが明らかになった。
ミルクを先に入れた方が、ミルクのタンパク変性が少なく美味しいミルクティーになるとされている。
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フィッシャーは、婦人の話を証明するためにどのような条件設定にすればよいか考えました。
そして、「反復」と「ランダム化」が必要ということを発見しました。
フィッシャーは「そもそもこの婦人に、味わい分けの能力がないとしたら」と考えました。
その場合、当たる確率が50%(1/2)となる。
●1杯目に当たる確率は50%
●2杯目も当たる確率は25%
●3杯目も当たる確率は12.5%
●4杯目も当たる確率は6.25%
●5杯目も当たる確率は3.12%
●6杯目も当たる確率は1.56%
●7杯目も当たる確率は0.78%
●8杯目も当たる確率は0.39%
このようにして、本物である確率を先に求めるのではなく、まぐれ当たりする確率から先に求めるという統計学的な証明を行った。
参考文献 レジの行列が早く進むのはどっち!?