大腸菌の好き嫌い

人間の食品に対する好き嫌いは、本質的に生存のために存在する。
その傾向は、単細胞生物レベルでは、もっと端的に現れる。

大腸菌などの微生物やアメーバなど原生動物では、走化性という現象が知られている。
これはある特定の化学物質に対して周りに集まったり、それから逃げたりする現象である。

大腸菌の場合、うま味を持つアミノ酸や甘味物質には正の走化性(集まる)を示し、逆に酸味や苦味の強い物質には負の走化性(離れる)を示す。
うま味をもつアミノ酸や甘味をもつ糖類などは、生物にとって栄養源であるからである。

参考文献 味覚を科学する