中国料理の基本背景

中国料理はもともと宮廷、上流階級から発達した料理である。
そのため、権力誇示の手段とされていた。

「贅を尽くすことで客(周囲)を歓迎し自らの富や権力を誇示する」というのが、宮廷料理から発達した中国料理の本質である。
そのため、高級になればなるほど、中国料理では希少な食材を好んで使う

また、一度の食事に出す品数な量も多いため、現在でも中国の裕福層の宴会で「食事が食べつくされてお開きになる」なんてことはない。
「残さないこと」を美徳とする日本人からすると失礼に思ってしまうかもしれないが、中国人に接待されてご馳走されても「堂々と残してよい」ということである。

中国では「食事」と「会話」がセットの概念である。
これは、中国の地理的な条件や国民性に関係がある。
中国は大陸国家で多様性豊かな多民族社会であるため、自己主張や駆け引きが大事になってくる。和食のように礼儀正しく、いのちに感謝をささげながらなど、悠長に食べているわけにはいかないのである。
そのため、「自己主張しない遠慮は美徳ではなく失礼」「黙っていると置いていかれる」となる。
逆に言うと、中国料理店では和食や洋食のように細かい作法にとらわれる必要はないのである。

洋食の基本背景

参考文献 おとなの清潔感をつくる教養としての食べ方