礼節を重んじる日本では、食事中は「静かに」「残さず」食べることが最大の美徳として重んじられてきた。
「会話しながら楽しく食べる」というより、「慎み深く感謝して行儀よく食べる」というのが主な原則。
この理由としては、昔の日本では「一家の長である家長(男性)が、家族に対して絶対的な支配権を持つ」という社会制度が続いており、「秩序を守ること」が重んじられてきた背景があります。
そこに「いのちを残さずいただく」という精神も加わるため、和食の場はより厳か(おごそか)な雰囲気になったのである。
現在は、「家父長制」は廃止しており、食卓は明るいものとなっている。
参考文献 おとなの清潔感をつくる教養としての食べ方