かつて肉の格付けが定められたころ、A5の肉の発生率は現代とは比べものにならないほど低いものだった。
そのため、血統の良い牛を選び、良質な飼料を与え、牛にストレスを与えないように大事に肥育する必要があった。
つまり、生産者の目利きと技術、手間を惜しまない労力があって初めてA5の牛になることができた。
しかし、現在は品種改良がおこなわれ、A5の発生率が高まる方法が確立された。
そのテクニックが広がり、最も発生率が高いのがA5という現状となった。
黒毛和種(去勢)の約60%がA5、約30%がA4に評価されている。(2024年3月現在)
そして、脂肪が良くない牛の場合、たとえA5で霜降りの量が多い肉でも、逆に胃もたれを起こしてしまい、あまり食べれない品種もでてきた。
つまり、「A5の肉であればあ美味しい」という証明ではなくなってきている。
基本的にA5ほど高額で取引されるが、A4の和牛の方が高値で競り落とされるケースも起こっている。
これは、格付けだけでなく、どのくらい肥育したかという月齢や脂質などの味により関係の強い要素を独自に評価して値段を付けるためである。
参考文献 肉ビジネス