天ぷらは、揚げたての熱いあいだはおいしいが、後は味が低下していく。
一方、フライは、揚げたてのほうがおいしいが、ある程度までは時間が経っても、天ぷらのように味が落ちることはない。
【理由】
●天ぷら
衣は、水溶きの小麦粉が主体である。
加熱されると、表面の水分だけが逃げて一部が油と入れ替わってパリッとなる。
つまり、表面のごく薄い部分でパリッとした感じを支えているが、中は柔らかい。
そのため、口当たりはよく感じる。
しかし、水分を多く含んだ衣が表層のすぐ下にあり、表層に水分がにじみ出てくるため、パリッとしたところがすぐに柔らかくなる。
また、冷めてくると衣の主体である柔らかい小麦粉のりが少しずつ硬くなる。
●フライ
衣は、パン粉が主体である。
フライの衣は、水分が逃げている代わりに油が入っている。
そのため、口当たりはカリカリとしていて天ぷらよりかたいが、油を多く含んだパン粉は水分を寄せ付けにくい効果がある。
そのうえ、下に水分が多いタネがあるが、フライの衣は天ぷら衣のように、衣の中に水分を多く含んでいないため、カリッとした状態が長続きする。
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参考文献 「料理の雑学」ものしり事典