ビールがだんだん苦くなる

ビールの最初の一杯は、特においしく感じる。
このとき、ビールの苦味はほとんど感じず、むしろ炭酸の刺激と合わさって爽快感を与える。
しかし、杯を重ねるにつれて一杯目のおいしさは無くなり、しだいに苦味が強く感じるようになる

【理由】
生体は複数の情報の中から、そのとき一番必要としている情報を選択的にキャッチし、一方で詳細な情報には目をつむるという仕組みを持っている。
そのため、ビールを感じる味も、体の状態によって変わる。
のどが渇いているとき、体には水分が欠乏して、水を欲している状態である。
このときビールを飲むと、のどにある水を感じる神経(水線維)が活動して脳に信号を送る。
のどの水線維は、水よりビールによって強く刺激される特徴がある。そのため、乾きが癒される度合いはビールの方が大きく、非常に美味しく感じる。
こんなときに苦味の情報は無視される

そして、のどの渇きが癒されてしまうと、ビールの苦味情報は、嫌な味の情報としてとらえられるようになり、しだいに苦味が増して感じるようになる。

疲労と苦味について
ビールの冷やし過ぎ
ビールは実は酸っぱい
ビールのドリンカビリティ
ビールの三度注ぎは苦味を抑制する

参考文献 味のなんでも小辞典