今回はネタ話です。
昔、よく聞いた話があります。
男が山へ出かけ、おいしそうなキノコを見つけました。
そこに、たまたま通りがかった土地の人に聞きました。
「このキノコは食べられますか?」
通りがかった人は答えたそうです。
「ああ、食べられるよ」
男はその言葉を信じてキノコを食べ、酷い食中毒で苦しめられた。
この話には、ウラがありました。
土地の人が「食べられる」といったのは、あくまでも「「塩漬けにすれば」食べられる」という、条件付きのことだったのです。
具体的に「塩漬けにする」というのは、「キノコを茹で、それを塩漬けにし、その状態で冬の間半年間置き、その後、塩漬けのキノコを水に漬けて塩出しすれば食べることができるよ」ということだったのです。
この操作の間に、水溶性の毒物は水に流れ出ます。また、毒成分によっては各種細菌によって分解、無毒化されるかもしれません。
それを知らずに、土地の人の言葉の真の意味を理解せずに、採ったキノコを食べたのでは、何事かが起こるのも無理からぬ話です。
ここからは主観です。
この話は間違っても「毒キノコは塩漬けすれば食べられる」という話ではありません。
この話の教訓は「誰が何を言っても、野生のキノコを食うな!」です。
参考文献 発酵のことが一冊でまるごとわかる