トマトは観賞用植物だった

今回はネタ話です。

トマトはアンデス山地を原産地とする野菜で、新大陸発見以降に世界に知られました。

画像 アンデス山地

しかし、ヨーロッパへ持ち込まれたトマトは、初めのうちは有毒植物と考えられており、食用ではなく観賞用植物として栽培されていました。
じつは、トマトのように鮮やかな赤に色づく果実はありません。
植物の果実が持つ色素には、主に赤紫色のアントシアニンと橙色(だいだいいろ)カロテノイドがあります。

様々な果実は鳥などに食べられるように、紫色や橙色の色素を使って少しでも赤色に近づけようとしています。
例えばリンゴは紫色のアントシアニンと橙色のカロテノイドの二つの色素をたくみに組み合わせながら、赤色に近づけています。

ところが、トマトはリコピンという真っ赤な色素を持っています
この鮮やかな色は、人類が食用としてきた果実の中では、見たことが少ない色でした。
その為、「毒々しい」と思われ観賞用植物として栽培されていたのです。

参考文献 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか