花わさびに湯をかけると辛味がでる

花わさびとは、わさびが花をさかせる前のつぼみ状態の若い花茎(かけい)を収穫したもの。


2月~3月が旬とされており、わさび特有の辛味と香りがある。

わさびの辛味は、アリルイソチオシアネートという成分で、葉の細胞にこのもとになる成分(シニグリン)があり、細胞が壊れることで、同じ細胞にある酵素(ミロシナーゼ)と触れ合って、アリルイソチオシアネートが作られる

●酵素であるミロシナーゼの最も働く温度は37℃
●酵素であるミロシナーゼが失活する温度は60℃以上
●植物の細胞膜が壊れる温度は40~50℃

これらのことから、50℃くらいの温度の湯をかけて時間をおくことで、酵素を維持したまま、細胞を壊す。
しかし、50℃の加熱ではほぼ生のような食感になってしまうため、最後に90℃くらいの湯をかけて、酵素を失活させ組織を柔らかくする。

ワサビに砂糖を少しつけておろす
粉末のからしをとくとき、ぬるま湯を使う理由

参考文献 味・香り「こつ」の科学