「そば」は救荒作物(きゅうこうさくもつ)

ソバは中国を原産地とする作物だが、アジアだけでなくヨーロッパ、北米など海外の山間地を中心に広く栽培されている。
ヨーロッパでは麦が作れない場所での代用品として、ソバを原料とたパスタやクレープ、ピザなどが食べられている。
ソバはやせた土地でも旺盛に育つ強さを持ち、栽培期間も短いため、イネや麦などの作物の栽培が困難な地域で育てられてきた。

ただし、ソバは食料としては効率の良い作物ではない。
ソバの収穫量は、技術が発達した現代でも少なく
●ソバ・・・1アール(100㎡)あたり6㎏
●イネ・・・1アール(100㎡)あたり55㎏
●ヒエ・・・1アール(100㎡)あたり20㎏
となっている。

ソバの収穫量が少ない理由は
●ミツバチなどの昆虫が花粉を運んでこないと受粉できない
→実になるのは1~3割程度
※イネや麦、大豆などは自分の花粉を自分のめしべにつけて、確実に受粉する

●開花期間が長く、下の花から順番に咲く
→次々に咲いては実になり、熟した実が地面に落ちていくため収穫量が減る


画像 ウィキペディアより


しかし、ソバが優れている点は天候不良などで実がならなくても、茎や葉が柔らかく食べることができる
そのため、実の収穫量は少なくても、茎や葉を考えた場合かなりの量の食料となるため、救荒作物(きゅうこうさくもつ)として非常に優れている。

参考文献 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか