工業的に炭が作られるようになったが、高級な炭は現在でも日本で古くから行われてきた「炭窯製炭法(すみがませいたんほう)」でつくられる。
白炭と黒炭は、製炭工程はほぼ同じだが、最後の工程の火の消し方に違いがある。
左 黒炭 右 白炭
①窯詰め(かまづめ)
窯の中に、ぎっしりと原木を入れる。
②口焚き(くちだき)
窯口で雑木を燃やし、原木を乾燥させる
③炭化
火が原木に着火したら、窯口をふさぎ、蒸し焼きにする。
窯口や排煙口の大きさを調整しながら火力を調整する。
煙突から出る煙が青色になったら炭化終了の段階
黒炭の場合
④消火
炭化が終わったら、窯の口をすべて閉じ空気を完全に遮断して消化する。
⑤窯出し
窯が冷えたところで炭を取り出す
白炭の場合
④精錬(ねらし)
窯の火り口を広げて中へ空気を送ると、窯内は真っ赤に燃え始めて、原木の炭化がさらに進む。
⑤窯出し
手前の炭からかき出す。奥の炭はまだ精錬されていないため、順番にねらしながら少しづつ行う
⑥消化
取り出した炭に、灰と砂を混ぜた素灰をかけて消化する。
冷めるまで1日かけたままにする。
精錬(ねらし)を行うことで、内部の温度は1000℃以上になり、不純物が焼き尽くされて炭化が進む。
その後、素灰をかぶせるため、表面が白くなり白炭と呼ばれる。
参考文献 やきとり大全