「日本料理店」と「うどん・そば店」とでは、ダシに使う削り節の厚さが違う理由

日本料理店のダシには、0.02mm程度の厚さの薄削りのカツオ節が使われる。
一方で、うどん・そば店のダシには、1mm以上の厚さの厚削りのカツオ節が使われる。

【理由】
薄削りの場合
→短時間で味、香りが抽出できる(抽出時間は数分以内が一般的)
◇カツオ節には、グルタミン酸が少なく、ほとんどが酸味や苦味のするアミノ酸であり、短時間でイノシン酸のみを抽出したいため。
(60℃1分でイノシン酸は100%抽出できるが、アミノ酸などの抽出には、さらに時間がかかる)
◇カツオ節の香り成分は揮発しやすいため、長時間加熱する

●厚削りの場合
→加熱しながら濃縮することで、濃厚なダシがとれる(抽出時間は数十分以上加熱するのが一般的)
◇「うどん・そば店」では、「かえし」と呼ばれる、醤油やみりんなどを合わせて熟成されたものと混ぜることでツユに仕立てるため濃厚なダシが必要とされる。
※濃厚なダシをとる場合、大量にカツオ節を入れても、入れた量に比例して、イノシン酸抽出量が増加するわけではない
▶水の重量に対して5%のカツオ節を入れたときの抽出量が上限で、あとはそれを濃縮するという方法がとられている
◇イノシン酸は、加熱しても分解しないため、濃縮すればするだけ、うま味は強くなると考えられる。

【まとめ】
日本料理店は
苦味や酸味を出したくないため、薄削りで短時間抽出をする。
香りを揮発させたくないため、薄削りで短時間抽出をする。

うどん・そば店は
濃厚なダシが欲しいため、厚削りで長時間抽出をする。

参考文献 味・香り「こつ」の科学