貴腐ワインは貴腐ブドウから造られます。
完熟したブドウに貴腐菌（ポトリティス・シネレア）が感染すると、果皮のワックス成分が溶けます。
すると、果実の中の水分が蒸発して干しブドウのようになり、中の糖度が非常に高まり、貴腐菌が生成する多彩な芳香成分により独特な香りを持つようになる。
これが貴腐ブドウとなるが、完熟する前に貴腐菌に感染するとブドウは「灰色かび病」となり、腐ってしまう。
湿度が高いときに感染し、その後は乾燥が続いて増殖が制限されるような特定の気候条件がそろったときのみ、貴腐ブドウはできる。
結果、貴腐ブドウは作るのが難しいため、貴腐ワインは高価になっている。
参考文献 「食べられる」科学実験 マギーキッチンサイエンス