現在、世界では約36種類のアブラナ科の野菜が食べられています。
例:ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ケール
アブラナ科の野菜は、細胞が損傷を受けるとその中のミロシナーゼという酵素が放出され、細胞内のグルコシノレートという化合物と反応し、揮発性のピリッとくる香りのイソチオシアネートに変化します。
グルコシノレートは数十種類存在し、それぞれ違ったピリッと来る苦い風味を生成する。
グルコシノレートもイソチオシアネートも苦い物質のため、アブラナ科は共通して苦味をもっています。
また、細胞壁が損傷を受けるほど化合物が反応するため、風味がはっきりする。
●沸騰した湯で30秒間下茹ですると、ミロシナーゼの大部分は不活性化し、苦味の生成が減る(約60℃以上で不活性化する)
●イソチオシアネートを加熱すると、まろやかなナッツのような風味の硫黄化合物にゆっくり変化する
例:カリフラワーを茹でる
→10~20分:揮発性の硫化水素の生成による硫黄臭い臭いを感じる
→30~40分:まろやかなナッツの風味になる
→50~60分:味気が無くなる
アブラナ科の野菜の風味は、硫黄化合物に由来しているため、畑の土壌の硫黄の含有量が多いほど風味が強くなる。
参考文献 食の科学