乳化を安定させる場合、乳化剤以外にも別の方法があります。
デンプン、小麦粉、糊(のり)などの増粘剤を用いることで、乳化を安定させることができます。
これらは、乳化剤ではなく、水の粘性を高める働きがあります。
デンプンでとろみをつけた水のなかに油が分散すると、デンプンを溶かした水の連続相の高い粘性により、油の微粒子が動き回って合体するのを防げるため、油の微粒子が安定します。
例:スープ、ソース、グレイヴィーソース
これらをコーンスターチや小麦粉でとろみをつけた場合、なかに含まれる油脂によって安定した水中油滴型の乳化ができます。
水中油滴型のソースはクリーミーでなめらかだが、水が連続相なので油っぽさがない。
また、安定した乳化の連続相が油か水かを見極めるのは難しく、電気伝導度を測定することで判断できる。酢(水)の連続相(それに少量の塩を加える)の乳化は低い電圧の電流を伝えやすく、油の連続相の乳化は出来んを伝えにくい。
参考文献 食の科学